冬の食彩祭

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岩手を出た私たちは、福島県に入りました。カニカニ紀行の終着点は福島県相馬市の松川浦です。ここ松川浦は、松葉ガニ(ズワイガニ)の水揚げ量が太平洋側でNo.1の「ズワイガニの街」、でした。そう、あの震災が起こるまでは…。
かつては年間200トンの漁獲量を誇り、獲れすぎたカニを「越前ガニ」として日本海側へ出荷するほど豊漁だった松川浦のズワイガニでしたが、あの日の津波で漁場は壊れ、その後の原発事故で放射能の影響まで疑われてしまい、3年経った今も休漁を余儀なくされているのです。
実はこの旅行の計画を立てるときに、一番楽しみにしていたのがここ松川浦でした。

温泉の湯もカニも豊富な松川を、訪れた人のブログの楽しそうな旅行記を集めて、数年越しでワクワクしていたのです。でも、もうあの頃の松川浦はない…。「いつでも行ける」なんて後回しにしないで、もっと早くに来れば良かった。
今回やっと来れたけど、どこか後ろめたさも感じていました。だけど、後悔しても時は戻りません。それに、相馬の人たちは復興のために出来る事をして、着実に前に進んでいました。

今日のお目当ては、松川浦周辺の9店の旅館や飲食店が参加する「冬の食彩祭(しょくざいさい)」です。松川浦の観光再生を目指す復興チャレンジ料理事業で、今回は第6弾。カニなどの冬の味覚や季節の食材を使った料理で、各店が趣向を凝らした「相馬の味」を提供しています。食べて応援なら大得意ですよ!という訳でやってきたわけです(というか食い気しかない)。

私たちがまず向かった一軒目は、直売所の中にある「お食事処 たこ八」さん。チャレンジグルメは「たこ八のカニ飯定食」です。ズワイガニの身で覆われたカニ飯にはカニ味噌ものっています。カニの天ぷら、タコの刺身もついて¥1,890。一軒目にもかかわらず、すごいボリュームです!続いては「お食事処 旭亭」さん。高台に移転オープンして頑張っておられるお店です。
「カニいくら丼定食」をいただきました。カニのほぐし身とイクラがたっぷりのって¥1,600。プチプチの食感とカニの旨みが幸せ~。小鉢も美味しい♪
二軒目はちょっと後半たいへんだったけど、美味しくいただきました☆(というか普通の女子は定食のハシゴはしません)これ以上はさすがに無理だったので、まだ行きたい所は明日です。

この食彩祭、食材はまだ県外から取寄せたものも多いそうですが、一部、相馬双葉漁協の試験操業で水揚げしたアンコウやキチジ(キンキ)・タコなども活用されているそうです。この事業で相馬の漁が蘇り、いつかまたお膳の上が相馬産の魚で埋め尽くされる日が来るといいですね。3店のスタンプを集めると食事券が当たるスタンプラリーもあるので、ぜひぜひ参加してみてください!3月30日まで開催されています。
お宿は「手づくりの湯 栄荘」さんへ。あれだけお昼に食べたけど、夕食はまたちゃんと入っちゃうんです。コースのお料理は多すぎるくらいで、ほんとうに嬉しいおもてなしでした。ちなみにここのお宿も「相馬牛石焼&鍋定食」で食彩祭に参加しています。
相馬の人たちは、私たちの心配を“どっこい”はねのけて、元気で頑張っておられました。7月には相馬の馬追もあるので、今度は夏に来たいね、と話しながら私たちは眠りについたのでした。

●お食事処 たこ八
福島県相馬市尾浜字原228-25
TEL:0244-38-8808

●お食事処 旭亭
福島県相馬市尾浜字牛鼻毛66
TEL:0244-38-7327

●手づくりの湯 栄荘
福島県相馬市尾浜字牛鼻毛64
TEL:0244-38-8126